夜道も安全となった赤チン。
とにもかくにも近づいていたのは,セカンドカー・ジェミニイルムシャーMTの車検切れの日。
知り合いから譲り受けたジェミニ君だったが,出会ってからはや2年が経とうとしていたのだ。思えばあのアルシオーネをすったもんだの末に手放してから2年だということでもある。あの時とは自分を取り巻く事情も経済状態も精神状態も様々に変化したもんだと思う。感慨しばし・・・。
紆余曲折を経て愛着も増したジェミニ君だったが,もともと邪険に扱われていた時期が長かったためだろうか,いつしかあちこちから異音がするようになっていた。
さて,車検継続するか,否か。
しかし,結論から言えば,ジェミニ君には休んでもらうことになった。
あちこちがへたっている感じよりも,フロントガラスについた跳ね石の傷がわたしに決断させた。左リアクォーターの大きな傷も治してやることもないまま,ジェミニくんは静かに次の出番(ほんとにあるのか?)を待つことになった。
そうと決まれば,楽しみなのは次のクルマを何にするか,である。古今東西・年齢・性別・星座・血液型の如何を問わず,クルマ好きの大いなる悩みであり,大いなる楽しみであり,夜通し酒のサカナある。
とはいえ,わたしが選ぶのはセカンドカーであるからして,赤チンにもしものことがあったときにも安心して頼れるという条件が必須である。さらには(ボーナス目前であったが)財布の中身とも相談しなけりゃならないから,勢い選択肢はちょっと古い格安中古に定まる。
「Nikiさん,なんかないっすか?」
「あるよ,かっせくんにぴったりのやつがね」
かくしてたったの3分で相談はまとまり,ジェミニくんは次期セカンドカーがやってきしだいの引退と相成り申した。
とある夜,人目を忍んでの「ジェミニ君さよならダートラ大会!」を爆音をとどろかせつつ(またマフラーやぶれちった)もしめやかにとりおこない,五代目マイカーであったジェミニ君ともお別れの日がやって来た。