117クーペのガレージから その1
拝啓
ゆく春の惜しまれるこの頃ですがいかがお過ごしでしょうか。私は毎朝、洗車することが日課となっております。
ガレージの蛍光灯にツバメが巣をつくりました。117はフンまみれの毎日、しかも野良猫がヒナをねらいルーフを最良の狩り場にしているため、足跡もデコレートされております。ついつい、巣を破壊しようとする衝動に駆られますが、いまはヒナの巣立ちをあたたかく見守っています。
さて、お騒がせしておりましたエアコン関連のトラブルも、おかげさまで、無事解決にむかっております。ご支援ありがとうございました。
梅雨になると、旧車にとってなにかと楽しい毎日になるかと思われます。ますますのご活躍を期待しております。
敬具
1998年 4月 何日ぶりかの快晴の日に Nagai
117クーペのガレージから その2
拝啓
風薫る季節となりました。皆さまには、お元気でお過ごしのことと思います。
さて、オールドミス117のエアコンですが、コンプレッサーから大量のオイルが漏れておりました。思い起こすと、雨あがりには、エンジンルーム下の水たまりにキレイな虹(注1)が見られたものです。
このままではコンプレッサーがヤキツクと褒められましたので、むらっさんのところで応急処置としてオイルを補充してもらいました。詳しいことはメカオンチ（日本一作業着の似合わないおとこグランプリタイトルホルダー防衛3回）なために解りかねますが、なにやらガスでコンプレッサー内にオイルを圧送してくださていました。（ふたかんほど）
クーラーガスもぬけておりましたのでこれも補充しました。去年の初夏に補充したので、1年1回の補充ペースかなとお気楽に考えていたのですが、エンジンルーム内でガス漏れしてるならまだしも、車内でガス漏れしている場合、ガスで死んじゃうこともあるそうです。（誰が？もちろんわたしがです。）
旧い車に乗ってる皆さんのなかには、夏は暑くて当然！というエアコン不要論者(注2)（三角窓原理主義過激派(注3)）の方もおいでになるとおもいます。わたしも自由主義三角窓あけぼの連盟(注4)に所属していますので、「エアコンなどとってしまえ！！」といわれますと言葉もありませんが、なにかと思い入れのあるエアコン(注5)なので、完治させてやりたい気持ちです。長期入院にはならないと思います(注6)。退院するころにはカツオもおいしくなっていることでしょうね。とりあえずは、報告とさせていただきます。
これからしばらくは、もっともよい季節ですが、木の芽どきはとかく疲れやすいものです。どうぞご自愛くださいませ。
敬具
1998年 4月 黄金週間目前の日に Nagai
今回の手紙には解説が必要でしょう。
by 管理者Katsuse
注1) 虹 ニュートンリングですな。わかるひとは苦労している証拠。いわゆるひとつの「オイル染み」。掃除が大変なので新聞をしいておきましょう。新聞は「日刊自動車新聞」など、ひとひねりしたものが望ましい。
注2) エアコン不要論者 いわゆるひとつの「パワーが落ちるからエアコンのスイッチなんて入れない。そんなら、とっちゃえ！」。エアコンがついていたのにアクセルワークの邪魔だから取り外してしまった、とよ＠A112のこと。着替えのＴシャツがたくさん必要です。
注3) 三角窓原理主義過激派 よくしらない。気温が25度を越すと、三角窓がついているクルマなのに窓を全部閉めクーラーガンガンで走っているクルマをさがし、過激な行動をおこす人のことか？いわゆるひとつの「三角窓を廃止するなど言語道断！」。よく似た団体に、三角窓原理主義派があるが、テロ活動を行わないところがちがっているらしい。現在調査中につき皆様からの情報をお待ちしております。→げすとぶっくへ
注4) 自由主義三角窓あけぼの連盟 あー、あれね。いわゆるひとつの「たんに三角窓を使おうって言うだけの団体でして」。エアコンが取り付けてあるので使ってるけれど、夜とか涼しいときにはエアコンを切って三角窓を開け、四季の変化を楽しもうという、あると便利だがなくても平気かも、という人。もしくは、「夏はうちわと扇風機」。三角窓の上に乾電池式の扇風機をつけているような人のこと。さらに言えば、エアコンをつけると低速でエンストする（EUNOS
COSMOのSawai君とか）という人が三角窓が欲しいなー、オートバックスで「あと付けサンルーフ」みたいに「あと付け三角窓」を実現してくれないかなー、と思いながら窓全開で渋滞に耐えている人のこと。
注5) エアコン 初代は後付けタイプのスゴイヤツ。昔のタクシーについていたようなヤツで、ダシュボード下を占拠し、助手席を威嚇しておりました。いわゆるひとつの「おまたひえひえクーラー」。現在のは2代目、献身的な117ドナー1号から移植されたもの。内蔵式。
注6) 入院 彼は「べつにエアコンのスイッチを入れなければいいから平気ナリよ。」と、のたまわっているが、新品で修理すると程度のいい117がもう一台買えるぐらいするらしい。オーバーホールか献身的な117ドナー2号から拝借するかで対応してみるらしい。代車にKatsuseのJT150が入る予定。いわゆるひとつの「ガンを告知されるってこんな気持ちかなあ。ほら、早期発見早期治療が肝心って言うでしょ」。ちがうと思う。
117クーペのガレージから その3
拝啓
吹く風に初夏を思わせる季節となりました。皆さまには、ますますご健勝のこと、お喜び申し上げます。
ミス117(注1)もエアコントラブル(注2)などどこ吹く風とばかりに元気にしております。
さて、梅雨も間近にせまってまいりましたが、皆さまの愛車の梅雨対策は万全でしょうか。ミス117にとりまして梅雨は最大のお楽しみどころといっても過言ではありません。なにしろ雨に対してのプロテクトが皆無ですので、まず雨と湿度増加にともなう肉体の腐食が懸念されます。基本的な防錆対策が施されていないうえにルーフの後端の部分やリヤフェンダーのリフレクター周辺は水がたまりやすいように設計されており酸化するようになっています。そこでリフレクターは盲腸と同じように、発病する前に取り除いてしまいました。これはこれでエセハンドメイド風な仕上がりになっており、なかなかです。でも、さすがにルーフはとっちゃうわけにはいきませんでした。(注3)
このほか過去２回ほど大々的な外科手術を経験しております。腐食患部摘出手術は成功しましたが、悪性の腫瘍ゆえにつぎつぎと転移をし、今なおミス117の体を蝕んでおります。
その他、雨天時に乗り込むと屋根から落ちる水でシートがびしょ濡れになるという構造上のちゃめっけさや電装系のアクシデントがオーナーの心をドキドキさせてくれますが、その話はまた次回、お手紙させていただきます。
それでは皆さま、時節がら、思わぬ風邪など召されませんようお気を付け下さい。
敬具
追伸
ガレージのツバメのヒナはすくすくと育っています。ルーフに落ちているフンを見るとヒナのその日の体調が解るほどフンマスターになった私でございます。
1998年 5月 初夏の抜けるような青空の日に Nagai
今回の手紙についていた注釈。by
Nagai
注1) ミス オールドミスと以前呼称しておりましたが、まだ弱冠21歳ゆえにミスと改めました。勿論、車の21歳など人間にすればババァだ！というもっともな主張も納得いたします。さて皆さんはクルマ年齢21歳を若いとおもわれますか？
注2) エアコン 解決していません。ドナーのコンプッレッサーは移植に適していなので手術は先送りになりました。ゆえに今年の夏は世界でいちばん暑い夏になります。
注4) オープン 世の中はひろいものでピアッツァをオープンカーにしてしまったお方もおられるようです。
117クーペのガレージから その3
拝啓
iMacの発売が待ちどうしい毎日ですが、皆さまおかわりございませんでしょうか。私のMacくんもようやく
を終えたようで、元気に起動しています。
さて、いよいよ梅雨真っ盛りとなりました。皆さまの愛車の雨天物語も少なからず報告されているようです。管理人さんの集計によりますと、117オーナー殿からの報告が多いそうで、いやはや、さぞかし梅雨を満喫されていることでしょうね。
ところで、雨天対策の不備が懸念されてますミス117ですが、以前は
、 、 という対雨天専用決戦装備が備わっておりました。なぜ前文が過去形かともうしますと、それらすべてが現状において機能していないからです。
ドアバイザーとスプラッシュガードの両名は、視覚的認識がもたらす美的感覚を著しく損ねるという理由において除去されました。除去の際、ドアバイザーは、強力な粘着テープで接着してあったものを力技ではがしとったことによるダメージで再起不能ですし、スプラッシュガードは取付ボルトがすべて酸化し固着していたため、ドリルで強制解体、これまた再起不能となりました。
スプラッシュガード強制解体の際には、その周辺が腐っているのが発覚しました。これが、第２期腐食患部摘出手術に発展します。スプラッシュガードの取り付けてあった４ケ所すべてを、切り取り補修するこの手術は難易度の高いものでしたが、名医と誉れの高い前浦外科部長の執刀により成功しました。
ちなみに、このとき切り取った箇所にはミラのフェンダーが加工されて移植されております。その加工技術は現在も伝説として語り継がれています。私はこの手術に立ちあっていないため、わかりかねますが、拳でボディをノックしたときの反響音の違い(注1)がオリジナル部分とミラによる補修部分の違いを雄弁にものがったています。
リアデフォッガーは、ミス117の防水対策の不備と双肩を成す懸念材料である電装系の脆弱さゆえに、全面使用禁止令が発令されております。夜間雨天時にくもり防止にエアコンをつけ、ワイパー、ヘッドライトをフル稼働しますとCDチェンジャー(注2)が完全に沈黙します。ウインカーも点滅を放棄します。そのような状況下でリアデフォガーなど使えるでしょうか。（反語）
それらは、オルタネーター（発電機）の寿命や、バッテリーの劣化で、疲弊した電装系にヘッドライトのハロゲン化(注3)などによって、さらなる消費電力増加を強いられた結果です。いよいよオルタネーターをビッグホーン化(注4)しないといけませんね。
それにしても、地球上にいながらにして、「アポロ１３」な気分が堪能できるとは、なんと楽しいのでしょう。もうしばらくは、アンペア計算しながらがんばりましょうか。
梅雨があけるといよいよ夏ですね。今年の夏は猛暑のようです。皆さまどうかご無事で・・・。
敬具
追伸
瑣末ながら諸事情がございまして、この手紙を最後に117関連のページはしばらくお休みいたします。海に海月の出没するころには、装いも新たにしてお会いできるとおもいます。
1998年 6月 梅雨時の寒々とした夜に
☆Ryousuke
Nagai (24)
PC Mac Performa 5440
mail：rsuke@geocities.co.jp
今回の手紙についていた注釈。by
Nagai
注1) 反響音の違い 本当に音が違う！「コンコン」から「カンカン」に半音あがる。いとおかし。
注2) CDチェンジャー ワンディーン規格以前の117のオーディオは、現行のカーAVを取り付けようとすると苦労します。ミス117のクラリオン純正製品は今日も元気に働いてくれています。もちろん条件つきで！
ミス117のクラリオンは２スピーカー用なので、リアスピーカーのみですが、最終型はフロントスピーカーが標準装備というから、４スピーカーに対応しているのでしょうか？もしそうなら欲しいですね。解体屋サガスさんに探してもらおうかな。
注3) ハロゲン 角目最終型いわゆる☆☆シリーズでは標準ではハロゲン化されているみたい。
注1) ビッグホーン化 エルフ化する案もあったが、議会で棄却された。
Katsuse注：本文中のプルダウンメニューは注釈であり、ジャンプしませんのであしからず。
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