「チンクでルンバ」

 お待たせしました!もう一台のチンクがついにほそうで繁盛記に登場!

 4月3日、知り合いのチンク乗りのアキさんの紹介でい1967年式のFIAT500Fを購入。検切れでアクセルを踏むと不整脈が出るという状態でしたが、前オーナーが自動車修理工場の奥さんだったため、その他のコンディションは抜群。6年前に大々的に錆び対策をしたらしくて、ボディは31年前の車とは思えないほどきれいでしっかりしている。なんでも、はじめは床がやわらかくて不審に思い、はがしてみたら、布を貼ってコールタール(のようなもの)で固めてあるという状態だったそうで、その布を剥がすと地面が見えていた(つまり鉄板はすでになかった?)らしい。前オーナーの旦那さんがそれを見て怒り心頭に発し、「みぃーんなはがして、ガンガン板金して塗装し直してやったわ。わはははは。」ということです。でも、工場のガレージの建て直しで手狭になり、不整脈の原因がわからないまま車検が切れたために手放すことにしたそうです。奥さんはトラックに積まれてドナドナされるチンクを見て、最後の記念写真を撮り、「元気でねー」と声をかけていました。ちなみにこの奥さん、つぎはMINIのATを購入予定だそうです。旦那さんはトライアンフだったりするという愉快な夫婦でした。
 こうしてついにCinq de rumba号(もしくは
赤チン)を手に入れたKatsuseだったが、購入1カ月、車検が上がって1週間でエンジンがかからなくなるというトラブルに遭遇する。

「ルンバ号、ミスファイアリングシステムを導入か?」

 
日曜の午後、空はさわやかに晴れ渡り、幹線道路を避けて土手沿いの信号もない道を、わたしは117@Nagaiとともに、チンクdeルンバ号でドライブをしていた。18馬力の非力なチンクだが、スタートダッシュは遅くとも、大人二人を乗せてなんの問題もなく交通の流れについていける。停ると、開け放ったキャンバストップから降り注ぐ陽光が脳天をじりじりと焦がし、トラックの排ガスに悩まされる。しかし、三角窓とキャンバストップから入る晴れた午後の乾いた風がとても涼しい。これならばやがて来る夏も楽勝かと二人で話していた、そのときだった。

 踏み付けていたアクセルを動かしもしないのに、エンジンが息継ぎをしはじめたのだ。あわててアクセルを放すと、そのままエンジンは止まってしまった。交通量の少ない道路だったので、すぐさま惰性でチンクを路肩に寄せる。車幅132cmのチンクは路肩に止めてもさほど邪魔にならない。とはいえ、ただでさえ珍しい車なのに色は赤。目立つことこの上ない。やたら堅いハザードスイッチを押し、とりあえずエンジンフードを開ける。改めてイグニッションレバーを引いてみる。イグニッションは回っているが、いつまで回してもエンジンがかからない。点火系か、燃料系だろうか。うかつにも車載工具を何にも搭載していなかったので何もできない。いや、工具があったとしても部品もないし、第一、わたしも同乗のNagaiもエンジンに関する知識は名前を知っている程度でしかなかったので、どちらにしても為す術もない。そういえば車検を通してくれた新和自動車さんはプラグがすぐにかぶるから時々掃除するように言っていたことを思い出した。(というか、プラグを磨くブラシを買いにオートバックスに行く途中だったのだが。)それまでの快調ぶりからは想像もできなかったような突然のトラブルに二人で途方に暮れかかっていた。もう一度だけイグニッションを回し、だめだったらJAFを呼ぶことにして、祈るような気持ちでイグニッションレバーを引いた。

 祈りが天に通じたか、チンクは機嫌を直し、かわいらしい音を立てて息を吹き返した!後続の車が来ていないことを確認して、恐る恐る走り出す。しばらく走るとやはりエンジンが息継ぎをする。目の前に信号が現れ、停車すると、案の定エンジンが止まる。イグニッションレバーを引いても機嫌を直してはくれない。再びハザードスイッチを押してチンクを路肩に寄せる。車重520kgのチンクはさほど重くもない。わたしの心はこまったような、それでいて込み上げてくる愉快さをこらえ切れず、Nagaiと顔を見合わせ、わたしたちは大声で笑いはじめた。オーナーになって1カ月。走りはじめてから1週間で出会ったトラブル。今度も為す術のない私たちは、交差点のすみにチンクを停め、エンジンフードを開けてしばしたたずむ。陽光が肌を焦がす。少し先に、修理工場を発見したわたしたちは、プラグレンチを借りるため、そこまでチンクを押していった。真っ赤なかわいらしいチンクを押す姿を見た対向車の女の子に「がんばれー」と声をかけられる。笑いながら手を振返し、修理工場にたどり着いた。幸い快くプラグレンチを貸してくれた大将は、原因追及のためにテスターをとりだし、プラグを外し、ついにはその元凶を突き止めてくださった。プラグから火花が飛んでいなかったのだ。初めての遠出で気温も高い昼間にドライブしていたチンクのイグニッションコイルは、ものすごく熱くなって焼き付いていたのだった。

 ミスファイアリングシステムとは某有名メーカーの最先端技術だが、今年31歳になるルンバ号にも正反対の機能を持つ「ミスファイアするシステム」が導入されたのだった・・・。

「蘇生、そして・・・」

 その日はいいことが立て続けにおこった。

 仕事からかえってくると、加入している草の根ネット(プロバイダーとしてネットサーフィンに利用している)から手紙がきている。わたしの住んでいる市内にアクセスポイントが設置されたとのお知らせだった。これで電話代が節約できるぞと喜んでいたら、部屋の電話がなる。

「親和自動車ですぅー。あれできたけんね」

それは、つまりルンバ号(最近は赤チンと呼ばれているbyひろき)の修理が完了したお知らせだった!結局、焼き付いたイグニッションコイルと、パンクしたコンデンサーを新品!(スバル360用)に交換してもらい、エンジンがかかるようになったのだ。

 親和さんの話によると、コンデンサーがパンクしてイグニッションコイルやポイントに悪影響をおよぼしていたのがトラブルの原因だった、とのことである。あと怪しいところは、プラグコードで、ハイテンションのコードを探してみたらどうか、とのアドバイスをもらった。

(チンク用のプラグコードはこちら

明日は一日中研修で、楽勝。帰宅も早くできる。明日の夕方受け取りに行きますと結んで電話を切った。ちなみに修理代は13,720円。格安?

さらに、メールチェックしたらDuo(Power Book。APPLEのノートパソコン)用SCSI Micro Dockのキャンセルが出て、買えることになったという知らせがきていた。これがないとDuoは周辺機器をつなぐことができないという大事な部品なのだ。いいことって続くものだなあ。

 17日振りの再会。立ち往生した日に購入した、「夏対策その1」木の玉付きシートカバーが、わたしの着席を待っている。途中、自販機の前で通りすがりのおっちゃんに「渋い車やなあ。にいちゃんのか?」と声をかけられながら帰宅。家族は「そんなボロはすててこい」といいながらも、みんな嬉しそう。わたしは上機嫌。夕食が大変美味しかった。

職場でも好評。赤チンが帰ってきたことを多くの同僚や後輩が祝ってくれる。1週間程したときに、とある先輩から「近所の居酒屋にいるからすぐ来い」と呼び出され、行ってみるとべろべろに酔っぱらいながら「おまえフィアット乗っとるんか?」。じつは、旧車趣味のおじさんだったことが判明。自身も以前にスバル360に乗っていた経験があり、現在レストア中の昭和39年式のダットサンが倉庫に眠っているらしい。スバル360を買うときにチンクも強力な候補としてあげていたが、チンク専門ショップが近くにないことから断念していたということだ。そのまま朝まで連れまわされたが、実に楽しい夜だった。

 そして、土曜日。復活から10日めに・・・。

「赤チン塗ってもなおらない〜黒チン塗ったら怪我増えた〜」

 休日出勤で、いつもより遅くに出発したルンバ号は、3分後、「強制キープレフトシフトモード」に移行した。

解説しよう。
「強制キープレフトシフトモード」とは、いついかなるときにも、路肩に車をとめることができるように、精一杯キープレフトを保ち、かつ、ハザードもしくはウィンカーを左にだして後続の車に知らせておく、旧車乗りならばマスターしておかなければならない、緊急危険回避モードの一つである。

そこにあった横道に入り、100メートル程進んだところで赤チンは停止した。この前の症状と似ている。エンジンが突然ストールし、二度とかからなくなっていたのである。とりあえずさらに50メートル程ひとりで押し、神社の境内(8畳ひと間ぐらいのちいさな神社だったが)に避難させた。そこではじめて気付いた。チョークを引いたまま走ってしまったのだ。ごめんよ赤チン。と言い残し、とにかく歩いて仕事場に急いだ。

 赤チンをほうり出したままで不安ではあったが、仕事に遅れていくわけにもいかない。通常の仕事日でなくてほんとによかった。仕事場が近くて本当に良かった。15分程でつき、ちょっとした事件も起きていて、てんやわんやだった。4時間後に早めに帰らせてもらうことができた。同僚に赤チンのところまでおくってもらい、イグニッションレバーを引いてみるが、ダメだった。プラグがかぶってしまったようだ。いや、プラグがかぶっただけであってほしい。またしてもコイルの交換が必要だとちとツライ。金銭的にも精神的にも。「ほそうで」的にはたのしいが。

 Niki@牽引史太郎さんに連絡をとるが不通。あとで分かったことだが、Nagaiとともに福岡まで117のバンパーを受け取りにいっていて、いなかったのだ。やはり、JAFに入っておけば良かった。

というか、仕事におくれないように、車載用の折り畳み式自転車買う方が先か?

「トラブルの本当の犯人は?」

トラブルの原因はなんだろうか?

今度は新和さんにお願いせずに自力で修理することにしたKatsuseだが、まずは交換修理するべき部品を見定めることが肝心である。カーステレオなどの電装品については一通りの知識を持つKatsuseだが、エンジン回りはまるでわからない。

とりあえず、トラブルの様子を列挙しよう。

  • 走行中にエンジンの回転数に不整脈が現れ、ストールする。
  • コイルがよく焼き付く。前オーナーの時はポイントもよく焼き付いていたらしい。
  • イグニッションはまわるのにエンジンがかからない。これは、火花が飛んでいないことが原因のようである。
  • 上記のこととは別だが、スパークプラグの径があわない。
  • オイルが吹きだしてくる穴がある。これはエアーフィルターにホースでつなぐんだろうなあ、やっぱし。
  • 「夏対策第1弾」の汗ムレ防止シートカバーが破れた。
  • よく声をかけられる。ホームセンターの駐車場で「車見せて下さい」といわれ、「これって12Vですか?」といったトークを弾ませてしまった。
  • 先輩や上司に「また壊れたんか?」といじめられる。しかし一方では旧車好きの先輩とも仲良くなる。
  • 「夏対策第2弾」の車載扇風機はちっとも涼しくない。
  • 「夏対策第3弾」の減量はちっとも進まない。
  • 子どもに好かれるようになった?赤チンの人気のみか?
  • 義兄と趣味が似ていることが発覚した。

というわけで、原因究明はちっとも進みません。もうすぐ梅雨時なので、梅雨が明けるまでには原因を突き止めたいなー、というKatsuseでした。

「旧車の悪魔」

 ホームページの更新が止まってもう2カ月以上。その間、何をしていたかといえば、何もしていなかった。仕事が忙しかったのは事実だが、いいわけにもならない。今までなら「忙中閑あり」で忙しいときほどクルマをいじり、ページを更新してきたからだ。わたしは赤チンがたびたび壊れることに疲れてしまったのかもしれない。そういう覚悟が足りなかったことも認めなくてはならない。いつも人に「悪魔の誘い(笑)。」をしていながら、自身は旧車の悪魔に魂を完全に売り渡してはいなかった。ボーナスはいつの間にかなくなり、修理費用の貯金もなくなっている。(注:このお金は主に飲んでしまったらしい。あとISDN導入などなど。)なんとかMacの前に座る時間は毎日確保しているが、仕事上のトラブルやストレスで、どうしても赤チンのエンジンフードを開ける気にならない。しょうがないのでトップページの更新でお茶を濁す日々が続く。ガレージで眠る赤チンにはほこりが積もり、猫の足跡や訪問した友人達の落書きにまみれている。

 だが、しか〜し。ついに、ここに「赤チン再生計画」が発動された!
まずは本格的な原因究明である。ひろき@部下3号(この呼び方、異様に懐かしい)が検電テスターをもって「ガレージかっせ」を訪れる。

つづきは 「チンクの青い空」で!

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