チンクの青い空1:「デ、デストリビューターって?」
チンクの青い空2:「同時点火」
チンクの青い空3:「部品調達」
チンクの青い空4:「まよいの森」
チンクの青い空5:「オッコトヌシ」
チンクの青い空6:「おそるべしトヨタ」
チンクの青い空7:「おそるべしNiki@マイスター」
チンクの青い空8:「チンクの青い空」

「チンクの青い空」

前回までのあらすじ

 意気揚々とチンクオーナーになったKatsuseだったが、予想以上のトラブル続き。身請けした4月3日から今までに走れた日数はわずかに17日。3週間かかって車検を取り、1週間後にスターターレバー(チンクはキーでなくサイドブレーキの右側にはえているレバーを引いてスターターを回す。ちなみに左側にはチョークがついている。)を引いてもエンジンがかからないという状況におちいる。新和さんの手でイグニッションコイルとコンデンサーの交換で復活した。その後、10日でまたも同じ症状に襲われた。今回もコイルがいっちゃてる可能性が高いが、コイルは日本製の新品だったので、根本的な原因、すなわちなぜコイルが焼き付いてしまうかがわからないうちは修理しても金をドブに捨てるようなものだとの判断から、少し視野を広げて点火系全般に渡る不具合究明を行うため、入院させずに現在に至る。


「デ、デストリビューターって?」

 赤チンの場合、純正のマネッティーマレリのデストリビューターは、付いてはいるが、赤茶色のデスビキャップからプラグコードがはえていない。イグニッションコイルからはえているのだ。わたしは長い間これは6Vから12Vに改造したために純正のデストリビューターは使わずに12V用の部品を取り付けたのだろうと勘違いしていた。前オーナーが、イタリア製のディストリビューターの信頼性が低かったがために、日本製の部品で代用したと考えたほうがよさそうだ。そういえば、交換した古いデストリビューターASSYがトランクに入ってたな。
 そこで、はた、と気づく。デストリビューターって何?イグニッションコイルって何?どいつがどういう働きをしてエンジンに火花を飛ばしてるんだ?わからん。

 Nikiさんにメールで質問してみる。返事が来ない。しょうがない。部屋の本棚を調べてみる。おおっ、これだっ!


(古いデスビと参考書)

「オートメカニック1996年3月臨時増刊グローブBOX保存版トラブル修理の参考書」
あるんじゃね〜かこういう本。書籍費には糸目を付けないという日ごろの浪費癖が幸いした。
 当時、JA71ジムニーに乗っていたので、本屋で見つけて衝動買いした。ほとんど読んでいない。
 デスビは前オーナーが交換したもので、赤チン身請け時に譲り受けた箱の中に入っていた。

開いてみる。

「クルマの電気メンテ&リペアPart1 エンジン電装編」このページだね。(P52)
まずは基礎知識。点火系統はどうやって作動しているのかを理解しよう。

 ガソリンエンジンではガソリンと空気の混合したものを燃やしている。ガソリンは自然に燃えるわけでなく、燃焼のきっかけを与えなければ燃えない。燃焼のきっかけを与えるために混合気を燃焼させる点火装置が必要になってくる。(このきっかけがスパークプラグから出る火花というわけだ。)
 バッテリー点火システムでは、スパークプラグに高圧の電圧を送るためにイグニッションコイルが必要。さらに、電圧をスパークプラグに送るタイミングを決めるコンタクトブレーカー(ポイント)が必要である。これだけでも点火装置としてはたらくが、3気筒、4気筒とシリンダーが多いと一つずつつけるよりもより合理的な手段として、点火のエネルギーを振り分けるデストリビューターが採用されている。デストリビューターでは、コンタクトブレーカーのカムとシンクロした回転で放電タイミングに合わせて、シリンダーごとの分配を行っている。(本文から引用し、編集しました)

 なるほど。やっぱりわからんときには本を読んでみるもんだねえ。まさしく「一冊あれば大安心」。というか、もっと早く読んでりゃよかったよ。

 おや、P22に「症状例1始動性不良---初爆がない/スターターはちゃんと回っているのに初爆がなく始動しない」なんて言うのがあるじゃないか。赤チンの症状と同じだっ!あ、でも電子制御燃料噴射装置(インジェクション)用のトラブルシューティングだ。大丈夫か?チンクはキャブレターなんだけど。でも、まあ基本は同じっしょ。

 なになに、「まず、すべての作動源であるメーンリレーを見て、その後は燃料が正しく送られているかをチェックする。」

 「メーンリレー」って、どこにあんだ・・・?


 次号を待てっ!


「同時点火」

 すっかり点火系に詳しくなった(つもり)のKatsuseだったが、メーンリレーの位置がわからない。っていうか、赤チンにはそんなものついてなかった。調べてみる。結論、ヒューズが5本ほど見つかったがリレーらしきものはない。あらためてチンクのシンプルな構造に感心する。そういえばこのまえスターレットでバッテリーを誤って+と−を逆に付けてしまったときに切れたやつ、あれがメーンリレーだった様な気もする。(バッテリー上りのおばさんを助けようとして自分が帰れなくなっちゃいやがんの。メーンリレーが切れるとあらゆる電装品が沈黙し、当然エンジンもかからない。その日は同僚に押しがけ(MTっていいねぇ)してもらってやっと家に帰った。)

 それならば、次に見るのは燃料系だ。スターターを回すと正常に作動しているようだし、ガス臭くもなる。どうやら燃料系ではないらしい。

 つづいて禁断の技。プラグを抜き、あたらしいプラグを取り付け、ボディーに接触させてスターターを回し、火花が飛ぶかどうかを調べる。(よい子はまねしちゃいけませんよ)でも全然飛ばなかった。

 となると、イグニッションコイルか、ポイントか。ああ、プラグコードということもある。でも、前回の故障から考えてイグニッションコイルが焼き付いていることはほぼ確実だろう。では、イグニッションコイルがすぐに焼き付くのはどうしてか?素人のわたしとひろき@電器屋にはここまでが限界だった。

 ここで問題なのは、例のマネッティマレリのデストリビューターのデスビキャップからプラグコードがはえていない(イグニッションコイルからはえている)ということについてだ。 デスビキャップを開けると、中にはローター(火花を振り分ける役割をし、ポイントの上にあるはず)も入ってなかった。じゃあ、どうやって振り分けているのか?ようやく連絡のとれたNikiさんに聞いてみても首を振るばかり。

 そんなときだった。「げすとぶっく」にGARAさんから書き込みがあった。「コイルを抵抗器付きに変えるといいですよ」とのこと。さっそくGARAさんのページに飛ぶ。な、何と、チンクについてのメンテナンス、改造が事細かく画像つきで解説されている!やはり年季が違う。自分の甘ちゃんぶりに思わず赤面しながらも、例のコイルに関する記事を見つけた。以下引用。

同時点火(デストリビユータレス点火)

 考え方はディストリビュータをとおさずに2気筒に同時に火花を飛ばすと言うことです、通常はローターによった振り分けがされている訳なんですが、ここをバイパスし(とおらずに)振り分けちゃおと言うこと〜
つまるところ、イグニッションコイル(以下.コイル)のヘッド部が2又に分かれているのを持ってくれば改造は簡単です。
SUBARUサンバー・レックス 550等の解体車両から外してこれますが、大体500円から1000円ぐらいの価格です。(あくまで解体部品)
(外すときは外部抵抗(以下.抵抗)も一緒に外して持ってきましょう。)

どんなメリットがあるのか?

  • ディスビを通さないから機械部分を1カ所バイパスできる。(簡素化できるんだょ〜)=デストリビュータレス点火
  • コイル自体の性能が上がっているから燃焼効率のUP。

(中略)

それから現行車は外部抵抗を切る(バイパスする)回路が付いてるから注意してね。何でかと言うとスターターモーターを動かすときは大量の電気を消費する訳だど・・・・ 同時にコイルから火花を飛ばさないとエンジン君は動いてくれません、ここで言う抵抗は言葉道理コイルに流れようとする電気をじゃまするわけだけど始動時は強い火花が欲しい訳なんです、だからスターターにスイッチを持っていて直結させちゃう訳です。(スタータモーターが電気を食うので電圧が下がるので)
ならば、抵抗なんか要らないよ と言う話になる訳だけど・・・・ この抵抗は焼き防止の意味があってコイルの温度が上がらないように付いてるわけだから〜 必要なんですよ。
だから、車を走らせた後に手で触れないほどコイルが熱くなるなんてことが無いようについているわけです
ただね、FIAT500にはスタータモーターにこのスイッチはありません。


そうかぁ。赤チンは同時点火だったのか。しかも、焼き付き防止の外部抵抗が必要だったのだ。以前修理したときにもそのまえにもこの外部抵抗が入ってなかったからコイルが焼き付いてたんだねぇ〜。(GARAさん、情報ありがとうございます)

そうとわかれば速攻で「解体史太郎@Niki」さんに連絡だっ。

 次号を待てっ!


「部品調達」

 前回の、GARAさんからのアドバイス「コイルを抵抗器付きに変えるといいですよ」によりGARAさんのページを参考にしての部品調達が始まった。

写真は「ガレージかつせ」でほこりをかぶっている赤チン。

 

 Nikiさんは、最近いうことをきいていないので部品調達に動いてくれない。まあ、しかし、これは師匠からの試練「自分で何とかせよ」だと受け止め、自力でレックスの解体車を探すことに。おかげで町中でレックスを見掛けるとつい気になってしまう。もちろん新品でもよかったのだが、自分で部品を探して組み付けるつもりの計画なので。そうこうしているとバスケ仲間に自動車修理屋がいて、Nagaiが問い合わせてくれた。

 あることはある。が、そのレックスを置いてある解体車置場には、最終ステージにラスボス「ウリボーズ」がいるからやめたほうがいいとのこと。なんだそりゃ、とおもいつつも来週末あたりいってみるつもり。

 

 Nagaiとむらっさんとこに遊びに(117のタイヤ交換)行ったときに、チンクのハイテンションコードって無いですか、と冗談のつもりで尋ねたところ、「あるわけない・・・って、500って、これか!?」

 何と、永井電子のカタログにはチンクのコードが載ってるんですねぇ。もちろん頼みましたよ。10,000円位でした。D・R用とF・L用に別れてました。ほかにもUNOやRITMO125TC用も載ってましたよ。心線が7mmと8mmがありましたが、8mmにしました。(117のコードもNagaiが注文した。こちらは16,000円くらい。でもびっくりしましたねぇ。だって117だけでも5・6コ種類があったんだもの。)

 これで、赤チン再生計画も順調に部品調達が進んできました。いや、ずいぶんゆっくりとですが。
次回は、調達した部品を組み込むお話ができる・・・と、思います。

 次号を待てっ!


「まよいの森」

 スズキ仙人に道を訪ねたところ、なにやら暗号の様な地図をわたされた。

 スズキ仙人の庵から、まっすぐに山を目指して道を進む。やがて、オリハルコン(って何?)をくれるというテッコウ仙人の庵があるので、そこからさらにしばらくまっすぐ行く。ヤクルトの泉(って自販機のことか?)を右に曲がる。少し山道らしくなり、二つ目の坂をおりると、解体置き場を発見!しかし、ここはスズキ仙人のところの解体置き場ではないらしい。でも、その解体置き場の中にレックスを発見!

「レックスあるじゃん!」

と私が叫んでみても、道案内と称して同行する暗号解読&ナビのNagaiは

「あれはミミックだから開けない方がいい」

ミミックっていったい?

目の前にあるお宝を空しく見過ごしてその角を左に曲がり、傾斜の急な道に入っていく。しばらくのぼり、道がふたまたになっているところにスズキ仙人の宝物庫はあるらしい。

 わたしとNagaiの組み合わせでは、道に迷ってしまうことがしばしば、いやしょっちゅう、もとい、初めての道では必ず、道に迷ってしまうようで、このときもあやうくこのまよいの森から出られなくなるところだった。ふたまたに気付かず(実際そこは三叉路になっているように見えたので)ずいぶん遠くまでのぼってしまい、スターレットではそれ以上すすめなくなるくらい道が細くなるまでのぼってから、ようやっと、

「これは行き過ぎてるんじゃない?」

ということに気付く。

さっきは三叉路だと思っていたところまで引き返し、三叉路の内の一つがその宝物庫の入り口だったと気付く。早速スターレットを降りてタックルボックスならぬツールボックス(らちぇっとセット)を取り出し、軍手をはめる。(解体する時には軍手は忘れずに。怪我する前に、ですよね、Nikiさん?)

 あるわあるわ。わたしらのようなものには宝の山。ふつうの人にとってはただの粗大ゴミの山の中に、レックスを2台見つけた。目の前にスーパーチャージャーのレックスがあったので、(違うとは思いながらも)ボンネットをあけてみる。Nagaiは奥にあるレックスを物色している。プラグコードを手繰り、イグニッションコイルらしき物に当たる。円筒形をしていないので、なんだか違和感を覚えつつ。まぁ、取りあえずへがしておくか。10番かな8番かなとソケットをさがしていると、後ろの方から

「フゴ、フゴッ」

っという音がする・・・。

おそるおそる振り向いた私の目に移った物は!

 

 次号を待てっ!

なんだかな〜。最近の「ほそうで」ってこんなの(パロディもの?)ばっかりか?
あ、スズキ仙人っていうのは友人の自動車修理屋さん。外車禁止!で、とくにゴルフが嫌いらしい。


「オッコトヌシ」

 スズキ仙人に許しを乞い、たどりついたその宝物庫(解体車置き場)でわれわれが出会った物とは?

「フゴ、フゴッ」

という声に驚いて振り向いた私の前にあらわれたのは・・・

「オッコトヌシじゃぁ〜。Nagai、Nagai、でた。でたぞぉ〜」

走りよるNagai。

二人の前には、オッコトヌシならぬ「イノシシ」がいたのだ!

「エサくれよ〜」

オッコトヌシならぬイノシシ君。

牙があるのわかります?
メスもいました。

 

それも二匹も!!

これが、ラスボスのウリボーズか。なぁ〜んて感心した後、スーパーチャージャーのイグニッションコイルをへがす。(へぐ、とは業界用語で解体部品をはずすという意味。二度ともとの解体車に戻すことはないので、荒っぽくはずすゆえにこう言うらしい。ときにはカッター等で切断もする)この時点では、このコイルは全く使えないと思っていたのだが、とりあえずボンネット開けたから練習としてへがしただけだった。(のちにこれが逆転ホームランとなる)

奥にあるレックスにも取りかかろうとしたが、ボンネットにアクセスできない。前の方の車が近すぎるのだ。そのうえ、セイタカアワダチソウが密生していて近付けない。運転席にも侵入もできず、このレックスは諦めることに。

となりにいたToday550のボンネットを開け、イグニッションコイルをさがす。しかし、このクルマはやはり同時点火コイルではなかった。さらに奥にいたアルト550やミラ550のボンネットも開けてみるが、やはり同時点火コイルではない。

結局、オッコトヌシの写真を撮って今日は帰ることに。

イグニッションコイルは新品注文するしかないのか?


次号を待て!


「おそるべしトヨタ」

 イグニッションコイルは結局手に入らず。
まよいの森から帰ってからというもの、コイルを注文しようなどという努力も怠っている。台風がいくつかやってきて、イチイチナナにはいろんなことがおこっているのに、赤チンは沈黙したまましばらくが過ぎる。そうしたなか、ふと、最近赤チンをなおすのが面倒になってきていることに気付く。

FIAT500というクルマのことを知っている人にもそうでない人にも、いろんなひとに赤チンを購入したことを知らせていたのだが、会うたびに

「今日はあの赤いクルマで来たの?」

「なおった?」

ときかれる。
そのたびごとに苦笑いしながら、

「いえ。うんともすんともいいません」

と答えることも辛くなくなっていた。

 そんな時だった。

PIAZZAを修理中のK-sukeくんに貸し出していたJT150ジェミニがわたしのもとに戻ってきた。
赤チンの購入とともに任意保険をはずして以来ほとんど乗っていなかったジェミニ君だが、ひさしぶりに運転したその印象は鮮烈だった。
 いや、もともと自分のクルマだし、4ヶ月以上毎日の足に使っていたのに、いまさら鮮烈だなんていうのもおかしいことかもしれない。

 しかし、5月以来毎日の足をスターレットに替え、その必要にして十分なアシぶりに不足なく過ごしているあいだにわたしの悪魔に売っていたはずの魂は錆び付いてしまっていたようだ。まさに、おそるべしトヨタ((c)NAVI)である。

 ジェミニ君に触発され、ふたたび赤チン復活へ意欲がもりもりわいてきたわたしは、GARAさんのページをもう一度良く見返した。

 そこで、同時点火の記事を読み返しているうちに、驚くべきことに気付いた。
同時点火用のコイルとして写っている写真のコイルの形が円筒形ではないのだ。これはいったい?と思っていると、あれこれってたしか・・・あのレックス・スーパーチャージャーからへがして来たやつとそっくりでは?。
すぐに確かめてみると、まさしくGARAさんの写真と同じ形だった!


SUBARU REX 550 から拝借した四角いイグニッションコイル


以前の円筒形コイル&デスビ

興奮した私は、よる遅くにコイルの交換作業を敢行した。

おお〜。ぴったりだ〜。かんどぉ、感動。

おもむろにイグニッションレバーを引いてみる・・・。

だが、しかし・・・

バッテリーがあがってるぅ〜(150db)(笑)。

 
次号を待て!


「おそるべしNiki@マイスター」

 はやる気持ちを押さえつつ充電したバッテリーをつないでふたたびトライしてみる。

でも、それでもエンジンはかからなかった。

 これは、トラブルの本当の原因はコイルではないことを明らかに示している。まぁ、それは分かっていたことだ。なんらかの原因でコイルが焼き付いている。それが焼き付き防止の外部抵抗の不在であることをGARAさんに指摘してもらっているのだ。
 がっくりと肩をおとしてベッドに潜り込み、眠れない夜を過ごした。

 翌日、日曜日。

 気を取り直して、届いていると連絡のあったFIAT500D・F用「ULTRAシリコーンパワープラグコード」@永井電子機器製を引き取りにいく。
むらっさんはいつも笑顔で迎えてくれる。10,200円ナリ。117用のほうはすでに117に取り付けられ、快調だそうだ。むらっさんにも

「チンクはどうなった?」

と聞かれる。へがして来た部品を装着しても始動しなかった旨を伝えると、むらっさんの肩も落ちる。
それでもひとしきり愉快な話をしてむらっさんと別れ、帰宅。むらっさんのような良き理解者がいることはとても心強い。すこし心があったまったようだ。

 赤く、力強いシリコーンコードをながめながら、こいつを装着できる日はいったいいつのことやら・・・とか考えて止めにした。持ち帰っていた仕事をやりながら、F-1最終戦鈴鹿GPを見ようとテレビをつける。

 「かっせ〜」

という声が聞こえて、ひょいひょいひょいとNikiさんがあらわれた。先週Nikiさんとこにわすれてきてしまったウクレレを届けにきてくれたのだ。いっしょにF-1のスタートを見ながらチャンピオン争いの行方を話したりしていると(Nikiさんはラリー派なのでF-1には興味なさそうだったが)、Nikiさんがシリコーンコードを見つけたので、ああ、そういえば、コイル装着してみたんですよ、なんてことを言うと、

「おぅ、ちょっと見せてみ」

とNikiさんが言うもんだからガレージにおりていって赤チンのエンジンフードを開ける。

プラグコードをはずして、ちょっとまわしてみろと言われ、例のごとく試してみたが火花は飛ばない。試行錯誤の末、Nikiさんがデスビキャップを開ける。

「ポイント焼けとるなぁ」

ポイントの焼けにまで思考が回らなかったわたしとはちがい、さすがは「日本中のPIAZZAを解体の危機から救う男である。自分の未熟さにあきれる。

そのへんにあったハサミでむりやりポイントの接点をこじあけると、

バシッ

と、火花が飛んだ!

と、同時にマフラーからボフッ!っと排気が出た!
こ、これはっ。復活の予感がガレージに流れる。

結局は、ポイントが焼けてデスビのカム(ポイントをくっつけたり離したりしてくれる)が当たる部分が溶けてしまい、ポイントが離れなくなってしまっていたのだ。火が飛ばないはずだよ。

上が交換したポイント。
下が溶けてしまっていたポイント。カムが当たる部分が溶けてぐちょぐちょになっている。
右端の丸い部分がポイントの接点。

交換したものは赤チンを譲り受けたときにもらった箱の中に入っていた。前オーナーが交換して不要になったが保管しておいてくれたもの。
なんでも取って置いてみるもんだね。


ものの3分でポイントを交換し終えたNiki@マイスターは、

「これでだいじょうぶだ!さあ、かっせ、エンジンをかけてみろ!」

ドキドキしながらイグニッションレバーを引き、数秒後。

キュルキュルキュル、ブルルン!

始動した!!

まるまる5ヶ月もの間沈黙していた赤チンのエンジンが、ついに復活したのだ!

 
次号を待て!


「チンクの青い空」

11/15のひとりごと
 今日はひさしぶりの休日。
赤チンにのってドライブしてみた。
頭の上の青い空と同じような清清しいきもちになった。

 

 11月4日、「旧車ほそうで繁盛記」は一周年を迎えた。
本来は「初代アルシオーネ」のページとしてスタートした「旧車ほそうで繁盛記」は、1年後には「FIAT 500」と「いすゞ117クーペ」が中心のページになった。のべで6,000人以上の人が訪問し、幾人もの人に応援のメールをもらい、相互リンクも増え、リンクのページにはいつのまにかチンクがあふれている。

また1年後にはちがうクルマに乗っているかも知れない。
いや、そもそもホームページなんてやってないかも知れない。
あいかわらず赤チンのメンテナンスに悩んでいるかも知れない。

先のことは分からない。

けれど、いま目の前には赤チンの赤いダッシュボードがある。
頭の上には気持ちよく青い空が広がっている。
願わくば来年もこうして過ごしていたいものだ。

 

11/28
Nikiさんが解体屋さんからガイシふうの(というよりまったくガイシ)外部抵抗をゲットしてきてくれた。
その抵抗は、白く、四角く、電線についているような、わたしの想像をこえる抵抗だった。

外部抵抗がないので不安だった毎日もこれで解消か?

11/29
めずらしく早起きした日曜日。
早朝の街を赤チンでドライブしてみることにしてみる。
しばらく走った後、メーターが60キロをこえたあたりで
バカッ
っとボンネットがあいちゃったのだ。
驚いて急ブレーキ。
ボンネットには傷がついてしまった。

こうなったらやっぱ、全塗装か?



つづきはチンクのつばさへ。いそげっ!

もくじにもどる

 

'げすとぶっく'に記帳しようかな その前に'げすとぶっく'をみる

★ご意見ご感想はこちらまで!  katsuse@purple.plala.or.jp

Copyright(c) 1997-2002 kasse.
Powered by Geocities