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(nagai3+117)2

ACT 4.0  (Traiangle Window)2  

「ひょとして,うどんがおいしいBarをおさがしですか?よろしかったら,御一緒しましょうか。いえ,ボクもそこでnagaiさんと待ち合わせをしているんですよ。今年の4月から山ごもりをはじめたnagaiさんは,たまに下山してきては,この先の,なんともめだたない所にあるBarで,なんともくだらない話をするんです。さぁ,着きました。ボクが扉をお開けしますよ。」

「いらっしゃいまへ」

「おそい!おそいぞ!あーにやってんだよ!ボクチン,もう,できあがってるもんねーん。」

「ぐっ,いきなりキャラクターが変わってる。どう対処したらいいのやら…。あマスターいつもの(注1)。」

「マスター!ギムレット!フローズンで!よろピク。」

「また,そんな奇妙なオーダー(注2)を…。あんまり冷たいものばっかだとお腹を壊しますよ。」

「バーロ!夏は暑い!暑いときは冷たいもの!そう決まってんだよ!」

「そのいいぐさ…。ははーん,117のエアコンが壊れたんで,自暴自棄になってますね。」

「具具具…,壊れてないもん!ガスがぬけてるだけなのねん…。より激しく…。」

「む,むなしい…。だけど117は,三角窓があるからエアコンなしでも大丈夫だって言ってたじゃないですか。」

「確かに,そんなこと言ってた記憶がある。だが,下山してから,昼間の車内温度は尋常じゃない。はっきり言って,タエラレナイ…。」

「まぁ,山の涼しさに慣れちゃったんですね。」

「そ、そうなのか?おぉ,カウンターの奥では,ほそうでのkasseと,常連で自称自然環境保護派のfujiedaくん(注3)が,なんか地球温暖化についてくっちゃべってるぞぉ。」

「ちょっと,聞き耳をたててみますか。」

 

「最近,地球温暖化ということばをよく耳にしますけど,実際に気温って上昇しているんですか。確かに,今年はめちゃめちゃ雨が(注4)ふったりして,蒸暑かったですけど…。」

「ええ,この20年で世界の平均気温は0.3℃上がってますね。このままですと,2100年には平均気温は2℃上昇すると言われてます。」

「え,でも,そんなもんなんですか。それぐらいなら別に,大騒ぎするほどのことじゃないとおもったりしちゃいますが。」

「いやいや,2℃の上昇というのは大変なことなんです。氷河期と今の温度差だって日本では,3℃から6℃ぐらいの違いなんですよ。」

「えっ!そうなんだ!なんか氷河期っていったら,もっとめちゃくちゃ寒かったような気がしてましたけど,そうなんですかぁ。でも,基本的な質問ですけど,なんでそんなに気温が上昇してるんですか。」

「いろいろありますが,二酸化炭素による温室効果が大きな原因ですね。温室効果って御存知ですか。」

「えっと,確か,地表で反射した太陽の熱を,空気が宇宙に逃がさないようにしているとかなんとかでしたっけ。」

「だいたいそうですね。地球があったまるのは太陽エネルギーのおかげですが,太陽の光がすべて地表にとどくわけではないんです。くもや火山から出るチリによって,太陽の光は一部はねかえされます。これは冷却効果とよばれています。また,大気中のガス,特にに二酸化炭素などは逃げていく熱を引き止める力があります。このガスは太陽からのエネルギーはとめませんが,地表から宇宙へでるエネルギーはとめてしまいます。これが温室効果です。温室効果自体はなくなってしまうと地球が冷えすぎてしまいますから,必要なんです。でもね,地球が温暖化するのは,二酸化炭素などの温室効果ガスの増加によって,温室効果が過剰になってきているからなんですね。」

 

「ほらほらほらー,地球が暑くなってんじゃないのさ!こりゃ大問題じゃねーかよ。」

「地球が温かくなるんだったら,冬,寒くなくていいじゃないですか。どうして問題なんですか。」

「バーロ,地球が温かくなるんだぞ。そうすれば,日本でバナナがとれるし,1年中,海水浴が楽しめるんだぞ。」

「いいじゃないですか。ボク,バナナ好きですよ。」

「だーっ,ちがーう!!おでんがおいしくなくなって,スキーができなくなるんだよ!」

「nagaiさん,ほんとはよくわかってないでしょ…。」

「うぐぐ…。」

「ほら,お話がまだ続いてますよ。」

 

「温暖化の問題はいろいろありますが,海面の上昇や猛暑,大雨,台風の大型化といった異常気象,また緑地の砂漠化などがその代表です。そして,温暖化の原因である二酸化炭素の増加が,人間の生産活動の結果だということも,大きな問題ですね。」

「うーん,過剰に二酸化炭素を発生させないためには,国レベル,企業レベル,個人レベルの努力が必要ということですか。とにかく無駄なエネルギーを使わないことですね。」

「あんまり気にしすぎると,人間はいらないなんて過激な話(注5)になっちゃいますから,むずかしいですけど,そういう努力は怠ってはいけませんね…。」

 

「nagaiさんは,人よりよけいに二酸化炭素だしてますから…,自業自得ですね。」

「な,なにをー!くやしいが言い返せない…。」

「でも,車内エアコンが使用不可能なのは,その分の燃料消費が抑えられるわけですから,結果的に二酸化炭素の発生を抑えていますね。環境に優しいですよ。とりあえずは!」

「そう,三角窓は世界を救うのだよ。うん,いい言葉じゃないか!暑さをがまんすることが暑さを防ぐのだよ!」

「じゃぁ,いまきたフローズンギムレットはボクがもらっていいんですね。」

「そんなオチをわたしは認めないっ!」

                                   つづく、のか?
ACT 5.0  (dependence)2                               

よい子の解説コーナー

注1 いつもの
 もちろん、Gin&itじゃなくて、てーるうどん。あれはBarのうどんじゃないよ。うん。
注2 奇妙なオーダー
 フローズンといえば,かの文豪へミングウェー愛飲のフローズンダイキリが有名。普通の人は,ギムレットをフローズンになんかしません。
注3 常連で自称自然環境保護派のfujiedaくん
 また飲みに行こーね。でも、イスの上に上がるのはナシよ。
注4 めちゃめちゃな雨
 そりゃnagaiさんとこのお山はニュースで一日中連呼されるくらい降りましたけどね。
注5 過激な話
 道は一本きりなんだから、昔へ戻ったりできないんですよ。それが人間ですもの。英知と努力で乗り越えましょうね。

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