ほそうで繁盛記悪魔の館

悪魔の誘いリスト

ISUZU 117 Courpe (いすゞ117クーペ)
ISUZU PIAZZA (いすゞピアッツァ)
SUBARU ALCYONE (すばるアルシオーネ)
ISUZU JEMINI(いすゞジェミニ)
わたしも欲しいクルマたち

FIAT 500 (チンクチェント)
FIAT RITMO 130TC(リトモ)
LANCIA DELTA (ランチアデルタ)
AUTOBIANCHI A112 (アウトビアンキ)
ROVER MINI (ミニ)

悪魔の館1号室「FAQと基本的な旧車購入の心構え」
悪魔の館2号室「好きなクルマに乗るということ」
悪魔の館3号室「旧車の相場価格」

悪魔の館4号室「旧車のモディファイと改造」
悪魔の館5号室
「旧車お役立ちチューニング」
悪魔の館6号室
「わたしのクルマライフ」

詳細は順次アップデートしていきます。また、ご意見、質問等も受け付けています。
メールは:katsuse@purple.plala.or.jp まで  または
「げすとっぶく」


好きなクルマに乗るということ

 まもなく21世紀。私たちはいったいいつまでガソリンエンジンのクルマに乗ることができるのでしょうか。トヨタの「プリウス」が登場してからというもの、各メーカーはハイブリッドや燃料電池の自動車を次々と開発しています。21世紀には「え〜ガソリンエンジンのクルマに乗ってるの〜。ふるぅ〜い。」という会話が旧車オーナーのまわりで交わされるようになることでしょう。わたしだって電気自動車が発売されたりしたら一番に買ってたりするかもしれません。それでも、子供のころにあこがれたあのクルマを手に入れるのは今が最後のチャンスかもしれません。
 大人になって周りのクルマを見渡した時に感じたあの違和感。友人や知り合いの人たちのクルマの選択時に感じるあの違和感。次々と発売されては消えていく新車たち。「マークツーがよかったんだけどあいつが乗ってるからチェイサーにしたよ」とか、「かっこいいでしょう、このトレノ」クルマ好きの私に「家族ができたらカローラが一番さ」と言って笑うおじさん。そりゃあ本人が満足していればそれでいいし、家族や周りの人々もうれしそうならそれでいいじゃん、という気持ちもあります。でも、ヴィヴィオのビストロが大ヒットしたとき、多くのメーカーからまねっこのえせクラッシックカーが登場したとき、あなたも感じませんでしたか、居心地の悪い違和感を。
 みんな本当に欲しいクルマを買っているわけじゃないんだ。少しずつ妥協したり、がまんしながらクルマに乗っているんだ。
 丸目の時には購入に踏み切れなかったのに角目になった途端インテグラを買った友人。新車のクレスタの感想を聞いたら「三日で飽きた」と笑った先輩。発売されたばかりで値引きしてくれなかったので豪華装備をふんだくっていた友人。一冊丸ごとディーラでの値引き対策を特集している雑誌。そしてその本を毎月買っていく人々。客の値引き交渉に小出しで値段を下げたり、フロアーマットやオーディオサービスなどで対応するセールスマン。確かに、クルマは高い買い物です。でも、それが本当に欲しいクルマなら、その車を開発した人々へ感謝の気持ちを込めて言い値で買っていくのが江戸っ子ってぇモンでしょう(いや、わたしは江戸っ子じゃありませんが)。もちろん、気に入ったクルマが安く買えるほうがいいのは当然です。でも、クルマへの価値や自分の満足度を値段や豪華装備にすり替えてしまっているのではないかと、わたしは心配になってきます。

 一方、実車を見ずに二つ返事でPIAZZAの購入を決めたNikiさんという友人がいます。熱病に冒されたように117クーペに魅了され、試乗後に購入に踏み切ったNagaiという友人もいます。じっくりに考えた末に、アウトビアンキA112Jr.を購入し、2週間後に「ブレーキ壊れた(笑)。」と笑顔で報告に来たトヨという友人がいます。念願のMINIを私の口車に乗せられて購入したKanazawaという友人がいます。家のガレージで古いダットサンをレストアしている先輩がいます。
 みんな、ほんとうに小気味いい仲間です。
わたし?わたしはといえば、親父に買ってもらったGA-1シティを振出しに、自動車ブローカーをしているNikiさんが乗ってきたJA71ジムニーを衝動買いしたり、壊れたそのジムニーを直しもせずにアルシオーネを買ったり、アルシオーネを売ってしまってJT150ジェミニに乗り換えたり、ついに出会ってしまったチンクチェントを買ってしまったり。めちゃくちゃです(笑)。MT車と中古であるという共通点だけのカーライフです。RITMOの車検を取る取る言っていながらついにあきらめたり、チンクも直しもせずに3カ月近く放置したり。あまり褒められたものではないカーライフです。
 Nikiさんのブローカー業を手伝いながら、ほんとにいろんなクルマのステアリングを握る機会を得ました。新車も含めて最近のクルマは本当に楽で快適です。平成元年以降のものはどれに乗ってもほんとうにいいクルマです。ところが、ステアリングも、アクセルも、ブレーキも、軽い。そのクルマの印象と同じくらいに軽い。その軽さが、私にはどうしても納得できませんでした。JT150の良いところは適度な重さがあることでした。重さがあるということは、運転していて「操っているという確かな手ごたえ」があるということにほかなりません。RITMOもそうでした。ジムニーやアルシオーネもそうで、MTだったこともあっていずれも運転していて楽しかったクルマたちでした。でも、ジムニーを除いてはどれも馬力がありすぎて、速く走れてもそれは自分の腕ではなくクルマのおかげなのだと気づくと、これは自分の求めていたクルマではないかもしれないと気づいたりもしました。新しいスカイラインGT、あれは何馬力でしたっけ?200馬力オーバーのパワーはわたしには必要ありません。チンクチェントは少なすぎ(18馬力)ですが(笑)。腕が足りなくてパワーのあるクルマを御しきれていないということもありますが、チンクの馬力はわたしにちょうどいいのです。

 と、長い間わたしのひとりごとにつきあっていただいてありがとうございました。とどのつまりは、みんなで欲しいクルマを買おうって、好きなクルマに乗るぜいたくを楽しもうって、ただそれだけなんです。ようは、欲しいと思ったその気持ちと、好きであるということ、ただそれだけでいいんです。

 さて、あなたの欲しいクルマは?

1998/8/23  Katsuse


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'げすとぶっく'に記帳しようかな その前に'げすとぶっく'をみる

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