号外!「超時空自家用車 イチイチナナ2完結編」

第5章  救出作戦

 

牽引隊長 「A川堤防沿いでイチイチナナがフリーズした。君たちにはただちに救助に

      出動してもらう。」

 

救助隊員1 「台風が上陸している。我々も無事ではすまないな…。」

 

牽引隊長  「心配無用!君たちにはコレがある!!」

 

救助隊員2 「おお…! PAF牽引専用車初号車  ビッグホーン!!」

 

   ここからは ISUZU の CM です。

 

牽引隊長 「 SUVとしてのゆたかな居住性と、優れた機能性を両立させたビッグ

       ホーンの室内空間。 キャビンは、ロングドライブにも全員が快適に

       過ごせるゆとりと高級感をもち、多彩なシートアレンジに よる自在

       な使い分けが可能である。 室内バリエーションは、ラゲッジ積載能

       力に優れ たショートボディ5人乗り、ゆとりのあるラゲッジスペー

       スのロングボディ5人乗り 乗員数と荷物の量に広く対応できるロン

       グボディ7人乗りの3タイプ。ライフスタイルに合わせて最適な一台

を選択できるのだ。」

 

救助隊員1  「おお!!」

 

牽引隊長  「さらに,全回転域で優れた低燃費とクリーン化を実現する、 直噴3.0リ

       ッター DOHCディーゼルエンジン、Dd。

  ディーゼルエンジンはどこまで人と地球にやさしくなれるか。

       ISUZUはこのテーマを追求して新たに直噴 3.0リッターDOHCディーゼルエン

       ジン、 Ddを開発しビッグホーンに搭載した。

        燃焼方式は、燃費の 飛躍的な向上を果たすため直接噴射式とし、

       燃料噴射システムには新開発の コモンレール式高圧燃料噴射システム

       を採用。     

        このシステムは、インジェクター内へ送られた燃料にエンジンオイ

       ルを利用して加圧し、 直接燃焼室 に高圧で噴射するものだ。

       しかも電子制御により、つねに最適な噴射量と噴射タイミングをコン

       トロール。

        この高圧噴射と電子制御の システム化によって、全運転域でつねに

       理想的な燃焼を実現し、排出ガスのクリー ン化を果たしている。」

 

救助隊員1  「なんだか難しいはなしになってきたな…。」

 

救助員2   「おーい,パソコンの前のみんな,ついてきてるか?」

 

牽引隊長   「 さらにエンジン本体にもDOHC16バルブ化をはじめ燃焼効率

        向上のための数々の新技術が採用され、優れた低燃費を実現する

        とともに動力性能も いっそう高められている。

         しかもその一方で、耐久性のさらなる向上と低振動・低騒音化

        も達成。低燃費、排出ガスのクリーン化、低振動・低騒音化など

        のほか、 さらに高出力化と耐久性向上というそれぞれ異なる

        目標を、従来にない高い次元で実現したディーゼルエンジン、Dd。

         このエンジンは、永く付き合うことのできるクルマ、SUVのこれか

        らの基準ともなる性能を達成しているのだ!!」        

 

救助隊員2  「す,すごい!これなら台風も怖くない!」

 

牽引隊長  「さあ!!総員出動せよ!」

 

救助隊員  「おう!!」

 

    台風の日も ビッグホーン    ここまでは ISUZU のCMでした。

 

 

第6章  絶体絶命

 報道管制室

女子アナ  「 ただいま入りましたニュースです。イチイチナナの救助を正式委託

       されたPAF本部はこれの救出として牽引専用車を出動させましたが,

       台風による高速道路封鎖のため目的地到着が絶望視されております。

       こうしている間にも台風は更に勢力を強め,イチイチナナ救助は,

       より困難なものになってきています。」

 

 PAF本部

隊員1   「しかたがない。通行可能なルートで牽引専用車を到着させよう。」

 

隊員2   「ばかな!!一刻をあらそう事態だぞ!到着に時間がかかりすぎる。

      早急に路肩に移動させるべきだ!」 

 

隊員1   「どうやって!この暴風雨の中,運転手に押させるのか!!人命優先だ!

       現実的に考えろ!!」

 

隊員2   「このままではその人命が危険だと言っているんだ!お前こそ現実的に考

      えたらどうだ!!」

 

隊員1   「なにぃ!!」

 

牽引隊長  「よせ!冷静になるんだ。冷静にエンジン再起動プランを考えるんだ。」

      

隊員1   「はい…。すみません。」

 

隊員2   「わかりました…。」

 

 報道管制室

女子アナ  「大変なことになってきましたね。ヒロさん。」

 

ヒロ    「 はい,救助車の到着が事実上不可能ですし,そうなると運転手自身の

       手でエンジンを再起動させねばなりません。先程も説明しましたが,

       117クーペのフリーズの原因は電装系,おそらくディストリビューター

       のリークです。それ以外ですと,考えられるのは燃料ポンプのトラブル

       でしょう。まぁ,8割がたこの2つをチェックすることで再起動は

       可能です。この2つ以外の理由でフリーズしているとなると…。もは

       や絶望的ですね。」

 

女子アナ  「それでは,はやくその2か所を点検すればよいのでは…。」

 

ヒロ    「そう考えるのはハッキリ言って素人考えですね。どちらにしても点検

       のためにはボンネットを開けなければなりません。現場の天候では,

       それは難しいでしょう。」

 

女子アナ  「なるほど,よくわかりました。さて,ここでクエスチョンです。

       117クーペの再起動には意外なものが使用されました。その

       使用されたある意外なものとは,いったいなんでしょうか?」

 

 

第7章   生還喜劇

 

隊員1  「隊長!再起動プランができました。」

 

隊員2  「わたしの靴下で考えました。」

 

牽引隊長 「しかし,その手段では…。」

 

オペレーター  「隊長!!現場上空,一時的ですが雨量減少しています。」

 

牽引隊長  「なに!!いけるか。よし!!こちら本部,イチイチナナ応答せよ!」

 

rsuke   「はい。こちらイチイチナナ。」

 

牽引隊長  「よく聞いてくれ。現在そっちは風雨が弱まっているはずだ。これが最

       後のチャンスだ。いいか。まず,ボンネットを半分だけ開けろ。

       なるべく雨がボンネット内に進入しないように傘で保護するんだ!」

 

rsuke  「はい…。あ,開けました。」

 

牽引隊長   「ここからは通常しないことをやってもらう。君の靴下を脱ぐんだ!」

 

rsuke     「え…,靴下ですか? はい。ぬ,脱ぎました。」

 

牽引隊長   「すかさずデスビキャップをはずせ!おそらくローターとの接点が

        湿気をおびて,ぐちょぐちょのはずだ!!そこを靴下でふくんだ!」

 

rsuke     「い,いいんですか?」

 

牽引隊長    「思いきりやれ!!ふき終ったらエンジンを起動させてみろ!」

 

 しばしの沈黙

 

rsuke     「エ,エンジン起動しました!!!!!!!」

 

総員      「うおー!!!!!!(大歓声)」

 

隊員1    「やりましたね!!隊長!!」

 

牽引隊長   「ああ,これで助かったも同然だ。」

 

rsuke    「動きます!」

 

牽引隊長   「うむ。慎重にやりたまえ」

 

rsuke     「ぎゃーーーーーぁーー!!!!!!!」

 

牽引隊長   「ど、どうした?」

 

rsuke     「横を通過した大型トラックに,大量の水を,ひっかけられました。

        エンジン停止,ボンネット内びしょびしょです…。」

 

隊員1     「な,なんてことだ…。」

 

隊員2     「だからあの時,無理にでも車を路肩に移動させておくべき

         だったんだ!!!」

 

隊員1     「しかし…。それは!!」

 

牽引隊長    「やめろ!!ここは過去を悔やむ場所ではない!!

         未来をつくる場所だ。」

 

隊員2     「だったら他にどんな手があるって言うんですか!!」

 

隊員1     「隊長…。」

 

牽引隊長    「絶対に生還させる。」

 

 

 報道管制室

女子アナ    「いよいよ絶望的な事態になりました。全世界がかたずを飲んで

         このドラマのゆくえを見守っています。救助本部には全国より

         ボランチィアの申込が殺到,そして海外でも有名アーチィストが

         支援を申し出ているという噂です。」

 

 

rsuke    「あ,ありがとうございました。もう十分です。」

 

牽引隊長   「馬鹿野郎!!最後まであきらめるな!!」

 

オぺーレーター「隊長!!!」

 

牽引隊長   「用件なら後にしろ!!」

 

オペレーター 「そ、それが,最新気象情報によると、午後3時現在、台風9号はT県を通過…

        風雨ともに峠をこえました!」

 

 しばし沈黙

 

隊員1     「か,勝った…。我々は勝ったんだ!!!!」

 

総員      「うおーーーーーーーーー!!!!(大歓喜)」

 

オペレーター  「隊長,牽引専用車もまもなく到着します!」

 

牽引隊長    「みんな!よくやった,本当によくやってくれた!!」

 

 

 

 こうして,わたしの運命に操られた長い旅は終った。その後,この時の功績により,

牽引隊長は首席牽引官に昇格。いまでも時々,この奇妙な生還劇とわたしを生還さ

せた数十名のスタッフのことを思い出す。しかし,この時のわたしにはこれより

数週間後に上陸する台風10号が,わたしとイチイチナナにさらなる喜劇の舞台を

用意していることなど知るよしもなかったのだ。

 

 

 超時空自家用車イチイチナナ2(完結編)               

 

    

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  超時空自家用車イチイチナナ2(完結編)

      

Inspired By ELEGANT DRIVER 8.

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